復活と悪寒

ボロボロのまま夏休みに入った俺はゲームに明け暮れニートのような暮らしを続けた。ゲームをいくらやっても満たされない心が呻き声をあげた。気づくとコントローラーが壊れ、メガネにヒビが入ってた。
墜ちに堕ちた夏休みは一瞬に終わろうとしていた。
始業式の1週間前から始まる登校日が明後日に迫っていた。宿題を全く手をつけていなかった。というより今までまともに夏休みの宿題なんかやったことなかったなと昔のことを思い出して少し涙した。

学校が始まった。

親にはいつも通り登校すると見せかけて制服のままゲーセンに行った。罪悪感が暫く蝕んだがやってやったような気持ちで少し興奮してきた。特にやりたいゲームは無かったがufoキャッチャーに1000円ほど溶かした。ゲーセンから出て画面の割れたスマホを確認すると何件も着信があった。
学校と家から5回ずつぐらい。
何かに追われてるような気がして怖くなった。追い討ちをかけるように着信が来た。親だ。コール数と共にカウントダウンを進めるように罪悪感が倍増していった。10コールぐらいすると電話が切れた。
なんか親に捨てられた気がした。
夕方ぐらいに家に帰ると親に怒鳴られた。

少し安心した。
次の日は勇気を振り絞って学校にいった。担任は快く迎えてくれたが、生徒は俺なんかいないもんのように生活している。
ふとあのグループの3人はまだ仲良くやってるのかと思った。だが、もうあの賑やかなグループはなく、3人はバラバラになっていた。特にNとあなたは避けるように会話をしなかった。登校期間が終わり土日を挟んで始業式の日になった。今日から2学期が始まると思うとゾッとする。
授業は次の日から始まるようでその日は席替えをした。Nが隣になった。気まずかったがもう話すこともないだろうと無視していた。
放課後になるとNが話しかけてきた。
「仲直りしないか」と切り出してきた。軽く呆れた。決して俺には謝らないのは昔から何も変わってないな。
「…いいよ」と冷たい返事で仲直りをした。
その日はNと仲直りの外食に行った。
思った以上にすぐ打ち解けあった。
男の仲直りなんてこんなもんなのかな。
家に帰り、明日からまたNとつるみながら学校生活を送ることに心の底では嬉しく思っていた。だが少し自分が甘いことにムカついた。次から気をつけて付き合っていこうと思った。
暫く経つとNとあなたが別れたことがわかった。

登校日の時から会話がなかったのはそういう事だったのかと歯車が噛み合ったようでスッキリした。

だが肝心のあなたは学校をよく休むようになり部活にもこなくなっていた。